イタリアワインのラベルの読み方 – 初心者のためのシンプルガイド

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イタリアワインのラベルは、ひと目見るととても美しくデザインされている一方で、少しわかりにくく感じることもあります。長い言葉、聞いたことのない名前、はっきり書かれていないブドウ品種、いくつもの生産地、個性的なブランド名――。 

けれど、どこを見ればよいかがわかるようになると、イタリアワインのラベルはまるで地図のように読めるようになります。そこには、ワインがどこで生まれ、どのように造られ、どんな家族や造り手がその背景にいるのかが記されています。つまり、味わいや品質をある程度想像する手がかりにもなるのです。 

通常、ラベルの表面には次のような情報が記載されています。 
名称(生産地域・ブドウ品種・ブランド名に由来)
生産者
ヴィンテージ 
格付け
その他の表記

1. ワイン名 ― 生産地域に由来するもの

ラベルの大きな文字で書かれている名前の多くは、生産地域や町の名前です。たとえばバルバレスコやキアンティなどがそれにあたります。こうした名前はワインそのものの名称となっており、しばしばネッビオーロやサンジョヴェーゼといったブドウ品種名よりも重要です。なぜなら、多くの地域では特定の品種を中心にワインが造られているからです。 たとえば、ピエモンテ州のバローロ地区で造られるバローロは、常にネッビオーロ100%。そのため、品種名が明記されていなくても、すでに何のブドウから造られているかがわかるのです。

さらにイタリアは、微気候、土壌、地形、醸造技術などが異なる小さな地域が非常に多く存在することで、世界的にも際立っています。同じブドウ品種であっても、土地が違えばまったく異なるワインになる――それがイタリアワインの大きな魅力です。 

生産地域名がそのままワイン名になっている代表例 
キアンティ (Chianti)
ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ(Brunello di Montalcino)
バローロ (Barolo)
バルバレスコ (Barbaresco)
ヴァルポリチェッラ (Valpolicella ) 
プロセッコ (Prosecco) 
フランチャコルタ (Franciacorta ) 
エトナ・ロッソ (Etna rosso)

2. ワイン名 ― ブドウ品種に由来するもの

ワイン名は、ブドウ品種から付けられることもあります。ラベルに品種名が記されている場合、カベルネやシャルドネのような名前を見かけることがありますが、これは特に国際品種で多く見られます。品種名がわかると、力強くタンニンのある味わいなのか、繊細でフルーティーなのか、といった風味のイメージもしやすくなります。 

アメリカ大陸やオーストラリア、ニュージーランドなど、いわゆるニューワールドのワインでは、地域名よりもブドウ品種名を前面に出すスタイルが一般的です。

イタリアの代表的なブドウ品種
サンジョヴェーゼ (Sangiovese)
モンテプルチャーノ (Montepulciano)
バルベーラ (Barbera)
ネッビオーロ (Nebbiolo)
ネロ・ダーヴォラ (Nero d’avola) 
ランブルスコ (Lambrusco)
トレッビアーノ (Trebbiano) 
ピノ・グリージョ (Pinot Grigio)
ヴェルディッキオ (Verdicchio) 
ペコリーノ (Pecorino)
マルヴァジア (Malvasia)

3. ワイン名 ― ブランド名に由来するもの 

ラベルの大きな文字が地域名でもブドウ品種名でもない場合、それはたいていブランド名です。これは生産者が独自に付ける名前で、市場の中で個性を打ち出し、他と差別化するために用いられます。競争の激しい世界市場において、ブランドとしてのアイデンティティを築く大切な要素でもあります。

4. 生産者 

 ワインに親しむようになると、生産者の名前も重要な情報になってきます。生産者によって味わいの個性やスタイルに特徴があり、「この造り手なら安心」と感じるようになることも少なくありません。

この点はフランスワインとの違いのひとつでもあります。フランスでは、生産者名が非常に目立つ形で表示されることが多く、生産者と特定の地域、さらにはブドウ品種との結びつきが強く意識されています。

生産者を示す際によく使われる言葉
Tenuta = エステート、所有地
Azienda Agricola = 農園
Azienda Vinicola = ワイナリー
Castello = 城
Cascina = 農家、農園住宅
Cantina = セラー、ワイナリー
Produttori = 生産者たち

こうした言葉のあとに、家族名が続くこともよくあります。

5. ヴィンテージ

ヴィンテージとは、ブドウが収穫された年のことです。ワインをより深く知りたい人にとって、この情報はとても重要です。年によって天候条件――たとえば日照量や降雨量――が異なるため、同じワインでもヴィンテージが違えば風味にわずかな差が生まれます。また、スペインで良年とされる年が、必ずしもイタリアでも良年とは限りません。 

これは非常に奥深いテーマですが、一般的には2010年代は暖かい生育期に恵まれた年が多く、全体として好ましい傾向にありました。 特に2010年、2013年、2016年、2018年、2019年は、 赤・白ともに優れたヴィンテージとされています。Source )

もしボトルに年号が書かれていない場合、そのワインは通常 N.V.(ノン・ヴィンテージ)です。これは複数年のワインをブレンドして造られていることを意味します。Source こうすることで、毎年安定した高い品質とスタイルを保つことができます。プロセッコ、フランチャコルタ、ランブルスコのようなスパークリングワインでよく見られる手法です。

6. ワインの格付け / 原産地呼称

DOCG、DOC、IGT といった認証が付いていれば、ワインを選ぶ際のひとつの目安になります。安心して選ぶための出発点として役立ちますが、必ずしもそれだけが品質を決めるわけではありません。格付けがなくても素晴らしいワインはたくさんあります。 これらの表示は基本的に、そのワインが特定の地域の厳格なルールに従って造られていることを示しています。たとえば、定められた地域で、定められた品種を使い、決められた方法で造られている、といった条件です。そのため、その地域名を名乗ることができます。

DOCG (Denominazione di Origine Controllata e Garantita)
統制保証原産地呼称。もっとも厳しい規定。
 
DOC (Denominazione di Origine Controllata) 統制原産地呼称。

IGT (Indicazione Geografica Tipica) 地理的表示ワイン。特定の生産地域に由来しつつ、より自由な発想や革新性も認められるカテゴリー。

7. その他によく見られる言葉

ラベルには、ほかにもよく登場する言葉があります。代表的なものをいくつか見てみましょう。

Classico = 本来の歴史的産地のもの
Riserva = より長く熟成させたもの、より複雑な味わい
Superiore = やや高い品質基準を満たすもの
Rosso = 赤
Bianco = 白
Rosato = ロゼ

まとめ

イタリアワインを選ぶとき、ラベルはとても重要な手がかりになります。イタリアは世界有数のワイン生産国であり、数えきれないほど多くのブドウ品種と、小さく個性豊かな生産地域を持っています。最初は戸惑うのも当然ですが、それは同時に、探求しがいのある豊かな世界でもあります。 このシンプルなガイドが、イタリアワインのラベルを読み解く旅を少しでもわかりやすくし、その魅力をより身近に感じるきっかけになれば幸いです。