イタリアは、大阪・関西万博2025に独自のパビリオンで参加します。2025年4月13日から10月13日まで、大阪の「夢洲(ゆめしま)」で開催される万博は、世界中からの来場者を迎え入れます。160の国と地域が参加し、約3,000万人の来場者が見込まれるこのイベントにおいて、イタリア館は「芸術が命を再生する(Art Regenerates Life)」というコンセプトで際立つ存在となるでしょう。2000年以上の歴史を持つ芸術作品を鑑賞し、イタリア各地の料理を味わい、最先端のテクノロジーに触れ、空中庭園を散策できるイタリア館にぜひ足を運んでみてください。
注意:パビリオンは予約や抽選の対象となる場合があります。詳細は大阪万博の公式ウェブサイトをご確認ください。 Official Osaka Expo website
目次:
コンセプト
建築
主なエリア
地域
料理
イベント
便利な情報

イタリア館のコンセプト、マスコット、ロゴ
「芸術が命を再生する」というコンセプトのもと、イタリア館では芸術が中心的なテーマとなります。しかし、これは単に美しさや創造性、文化を表現するだけでなく、職人技やファッション、デザイン、工学、研究、イノベーションといった要素も含んでいます。芸術は過去と未来をつなぎ、感性と理性を融合させる鍵となるのです。
イタリア館のマスコット「イタリアちゃん(Italia-chan)」は、Tokidoki Brandの創設者であるシモーネ・レーニョ(Simone Legno)氏がデザインしました。未来と希望の象徴として、少女の姿をしています。彼女は淡い青の着物に、イタリア国旗のトリコロール(赤・白・緑)をあしらった帯を締め、桜の花を身に着けることで、イタリアと日本のつながりを表現しています。また、頭には塔、オリーブの枝とオークの枝(イタリア共和国のシンボル)を載せます。イタリア・トゥッリタ(Italia turrita、「砲塔のあるイタリア」を意味する)は、イタリアを擬人化または寓意化したものです。オリーブは平和の象徴であり、オークは強さの象徴です。さらに、イタリアの星(Stella d’Italia)は彼女の目(時にはイヤリング)に描かれており、これらのシンボルはイタリアのパスポートの表紙にも見られます。
イタリア館のロゴは、ルネサンスの「理想都市」のコンセプトを想起させるデザインで、ローマ風のアーチをルネサンスの遠近法で描いています。カラフルなタイルがイタリアの文化と地域の多様性を表し、モザイクのような美しいデザインとなっています。



建築とデザイン:理想都市への旅
イタリア館は、建築家マリオ・クチネッラ(Mario Cucinella)氏が設計し、ルネサンス時代の「理想都市」にインスピレーションを得ています。劇場やアーケード、中庭、イタリア式庭園などが配置され、来場者に特別な体験を提供します。
また、持続可能性にも重点が置かれています。自然素材の使用、短いサプライチェーン、リサイクル素材、認証済みの材料を活用し、すべての要素が追加の加工なしで再利用できるように設計されています。
パビリオンのデザインの参考作品: 劇場にはヴィチェンツァの「テアトロ・オリンピコ」(コロッセオではありません!) 理想都市のエリアには「マルケ国立美術館」の『理想都市』 庭園には「ヴィラ・デステの素晴らしき庭園」



出典:@mario_cucinella_architects(IG)
大阪万博2025 イタリア館の主なエリア
パビリオンは主に3つのエリアに分かれています。
- 劇場:ポルティコを通過すると、訪問者は没入型のマルチセンサリー空間へと誘われます。歴史的に、劇場はフィクションの場でしたが、ここでは観客と俳優の役割が逆転し、現代社会の形成における個人の積極的な役割を考えさせる空間となります。夕方には、音楽、ダンス、パフォーミングアーツの公演が行われます。
- 未来の理想都市:交流と商業の場である広場は、4つのセクションに分かれています。中央には、通常ナポリ国立考古学博物館に所蔵されている2世紀の大理石像「ファルネーゼのアトラス」が展示されます。 個人(現代アートインスタレーション、科学技術、健康、環境、AI、ロボティクス) 社会(イタリアの新たなインフラ・社会プロジェクト、デザイン、建築、工学、スポーツイベント) 国土(18のイタリアの地域が順番に登場) 宗教(バチカン市国の出展、カラヴァッジョの「キリストの埋葬」) 展示エリアの奥には、様々なイベントが開催されるマルチメディアスペースがあります。
- イタリアンガーデン:人間の自然に対するコントロールと環境への敬意のバランスを象徴しています。幾何学的なデザインは迷宮を連想させ、彫刻、噴水、植物が配されており、美しい景観を楽しめます。



参加するイタリアの地域
パビリオンでは、イタリアの全20州のうち18州が交代で参加し(加えて、ヴェネツィア市は都市として、またヴェネト州の一部として参加します)、以下のスケジュールで開催されます。
- ヴェネツィア: 4月14日〜19日
- カラブリア州: 4月20日〜26日
- フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州: 4月27日〜5月3日
- ヴェネト州: 5月4日〜10日
- プーリア州: 5月11日〜17日
- ラツィオ州: 5月18日〜24日
- マルケ州: 6月1日〜7日
- シチリア州: 6月8日〜14日
- アブルッツォ州: 6月15日〜21日
- サルデーニャ州: 6月22日〜28日
- リグーリア州: 6月29日〜7月5日
- モリーゼ州: 7月6日〜12日
- トスカーナ州: 7月13日〜19日
- カンパニア州: 7月27日〜8月2日
- バジリカータ州: 8月24日〜30日
- ウンブリア州: 8月31日〜9月6日
- エミリア=ロマーニャ州: 9月21日〜27日
- ピエモンテ州: 9月28日〜10月4日
- ロンバルディア州: 10月5日〜13日
また、バチカン市国は万博で初めて常設ブースを持つことになります。
イタリア領内の独立国であるサンマリノ共和国も、少し離れた「Commons-C」パビリオン内に独自のエリアを設けています。
イタリア館での食文化
イタリア料理も重要な要素のひとつです。パビリオンの屋上にはEATALYがあり、午前11時から午後9時まで営業予定です。メニューには、前菜(ブッラータとトマト、サラミ、サラダ)、パスタ(スパゲッティ・ポモドーロ、カチョ・エ・ペペ、ペスト・トロフィエ、タリアテッレ・ボロネーゼ、リガトーニ・カルボナーラ)、肉・魚料理、ピザ(マルゲリータ、ディアボラ、カプリチョーザ、マリナーラ)、デザート(ティラミス、カンノーリ、パンナコッタ、ジェラート)などが提供されます。
EATALYに加え、他のエリアでもイタリア料理を楽しめます。「Pizza da Mario」や「MARE-Mediterranean Cuisine」などのピザ店がありますが、これらはイタリアの公式組織によるものではありません。また、サルヴァトーレ・クオモのチームはソマリア館に出店する予定です
イベント
- 4月22日:ヴェネツィア・フェニーチェ歌劇場合唱団の公演
- 9月:コンパッソ・ドーロ(デザイン賞)の授賞式
- 9月12日:イタリアのナショナルデー(記念式典や文化イベントが開催)
毎日:シアターエリアでのパフォーマンス
便利な情報
イタリア館は西側の「命を救うゾーン(Saving Life Zone)」、区画S9に位置します。
万博マップ: [マップを見る]
イタリア館公式ウェブサイト: italyexpo2025osaka.it
大阪・関西万博2025公式サイト: expo2025.or.jp

